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ドムス アウレアでパンテオンの原型を見る

---先日のローマ旅行より---

すっかり存在を忘れてたんですが、コロッセオの近くでそういえば、ドムス アウレアに行きたかったんだと思い出してローマ観光案内デスク、060608へ。この番号はオペレーターまでたどり着けば結構便利。営業時間などの最新情報や予約も直ぐに電話で確認できます。

ラッキーなことに翌日の予約は空いていて速攻で予約。念願のドムス アウレリアに入ることに。

「domus aurea 」はラテン語で黄金宮殿。ローマの大火の後、紀元68年古代ローマ第5代皇帝ネロによって建てられた、煌びやかな宮殿のことです。もちろんローマの再建を願うローマ市民からは大顰蹙をかうことに。しかし250へクタールのその広さにびっくり。

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入って直ぐにビデオでまず宮殿地図などの説明を受けます。青い部分は庭園内の人工池で、現在のコロッセオですから、いかに広かったか。。。緑の部分が全て敷地ですからね。今回は池の右上オッピオの丘にある白っぽい建物(住居部分だった箇所)へと入ることになります。

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ルートを戻りますが、ここが入り口。結構分かりにくい。予約ごとに時間が仕切られていてひとグループにまとまり、ガイドさんと一緒に入場。私たちはイタリア語コースを選択。(英語もあり)

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一応地図を見ながらどこへ向かうのかを説明してもらい、中央から右側へ進みます。

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3Dで当時の敷地地図映像を一通り見せてもらい、想像を膨らませます。この金のネロ巨像は過去記事でも触れましたけど、後にコロッセオの前に移されることに。

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ガイドさんが、この瓦礫の地層を指して「これが非常に重要なんです。」と、実はこの部分のドムスアウレアは後にトラヤヌス皇帝が
全て土で埋めてしまい、浴場を建設。その土がこうやって露出しているのを垣間見ることが出来ます。
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トラヤヌス浴場の地図を実際にドムスアウレアに重ねるとこういう感じ。ほとんどが埋められているというわけ。

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まもなく進むと、バーチャルリアリティーで当時の宮殿の様子を見ることが出来る部屋へ。各自椅子に座って設定されているゴーグルをつけるシステム。時代の進歩を感じるなぁ。20分ほどですけど、金や真珠で装飾された宮殿内部、及び庭園、周りに広がるブドウ畑、草原や森などを散歩するよるような感覚。なかなかの迫力で理解力アップ。ネロ自身がカンパーニャ州の海沿いの邸宅にインスパイアされた宮殿だとよく分かります。

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ところどころに素晴らしい壁装飾が残っており、1400年代後半には、有名画家のラファエロも内部に入りこの装飾を見て影響を受け、当時のバチカン宮殿回廊を施したとか。いわゆる現在のグロテスク(グロッタで発見された古代美術)装飾の起源です。
トラヤヌス皇帝が埋めた土のおかげで、ポンペイの火山灰のようにこれらの装飾が湿気から守られたというわけ。

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奥には八角形の部屋があり、天井からの穴はオクルスといってラテン語で目の意味で外光が差し込むの眼窓があるスタイルに。後にパンテオン再建にも用いられているとのこと。なるほど、ここに原型があったとは、びっくり。
ここはダイニングルームに繋がっていたようです。

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皇帝ネロの死後、火災にあってほとんどが失われ、また歴代の皇帝の手で破壊され、それぞれ別の建造物に姿を変えてゆきます。コロッセオなどはそのうちのひとつ。人工池の水を抜いて建設しました。我々が入ったこのトラヤヌス皇帝の浴場の下は第二次世界大戦後より徐々に掘り起こされて、1999年より一般公開するも大雨などの被害により2005年に再び閉鎖。近年になってようやく制限付きで公開されるようになりました。しかし、真上にある公園の木が成長しその重みと雨が降る度に水が中へ入り込むなどの問題があるため、現在では数々の改善策がとられています。

上の写真はその模型図。

約1時間30分の見学ツアー、構造がかなり複雑で何度も行かないと分かりにくいかも。何よりも遺跡に遺跡が何層にも重なっていて、まさに歴史のミルフィーユ。奥深すぎる。でもひとつ知ると更にその先を知りたくなるんですよ。また来よう!




by Jonetsu-Italia | 2019-05-02 07:33 | まさに歴史
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